【演奏動画付き】ディアベッリ・ソナチネOp.168より 第3番・第4番|演奏のヒントと注意点

船橋市・馬込沢の藤田ピアノ音楽教室、代表の藤田晃太朗です。

今回は、アントン・ディアベッリ Anton Diabelli(1781-1858)作曲《ソナチネ》Op.168より第3番と第4番の2曲について、演奏のヒントと注意点を解説していきます。

ディアベッリのソナチネは、楽譜を見ると音符もそれほど多くなく、とっつきやすい曲に思えます。しかし、実際に弾いてみると「なんだか演奏に説得力が欠ける気がする…」「指は動いているのに、音楽的な魅力がいまいち伝わってこない」と、立ち止まってしまうことはありませんか。

はじめに

この記事では、音楽的なポイントを大切にしながらも、「音楽を音楽らしく弾けるようなヒント」を、読んでいる人に伝われば良いなと思っております。


この記事の対象読者

  • ディアベッリのソナチネに現在取り組んでいらっしゃる、大人の学習者の方
  • お子様の練習に、より深く寄り添いたいと考えていらっしゃる保護者の方
  • より音楽的な演奏を目指し、自ら探求する意欲のある若い学習者の方

(※難しい音楽理論の話はしませんので、ご安心ください。)

演奏動画で、まずは全体のイメージを掴みましょう

解説を読む前に、まずは演奏動画をご覧ください。
2曲を通して聴いていただくことで、各楽章や雰囲気や曲全体の流れを掴むことができ、この後のポイント解説がより深く理解できるようになります。

▼【演奏動画】ディアベッリ《ソナチネ》Op.168より 第3番・第4番

各曲のポイント

それでは、Op.168の第3番と第4番について、具体的なポイントを見ていきましょう。

Op.168 No.3 (第3番) 第1楽章:Allegro moderato[動画03:36-]

楽曲構成のポイント

この楽章は59小節からなります。前半1-20小節(提示部)、後半21-59小節(展開部21-48小節・再現部48-59小節)に分かれます。ソナタ形式的な構造をしています。

演奏のポイント

テンポを速くしすぎず、アーティキュレーション(音と音のつなぎ方や切り方)を多彩に変化させることが大切です。
19世紀のブルジョワの子女が弾いている様子をイメージしてみてください。少し自慢げに、少しお茶面に、だけど、雅(みやび)な演奏をイメージできると良いですね。
また、提示部と再現部での伴奏の変奏を意識すると、面白い演奏になります。

練習で特に意識したい箇所

  • 36小節目の装飾音は、短前打音ではなく長前打音(アッポジャトゥーラ)です。
  • ペダリングは画一的に踏まず、きちんと自分の耳で音を聞きながら調整しましょう。

Op.168 No.3 (第3番) 第2楽章:Andantino[動画03:14-]

楽曲構成のポイント

コーダ付きの2部形式です。第1楽章と動機(モチーフ)が似ているため、楽章間のつながりを感じながら演奏しましょう。

演奏のポイント

Andantinoですので、テンポが遅くなりすぎないように注意が必要です。
一般的に第2楽章は抒情楽章のイメージがありますが、この曲には舞曲的な要素が含まれています。しかし、あからさまに舞曲的に弾きすぎてしまうと不自然ですので、バランスが大切です。

練習で特に意識したい箇所

  • 10小節目の右手はポリフォニー的(複数の声部がそれぞれの独自性を保持する)になっています。各声部の動きを理解して弾きましょう。

Op.168 No.3 (第3番) 第3楽章:Rondo Allegro [動画04:29-]

楽曲構成のポイント

コーダ付きのロンド的な3部形式です。
構成は、A(1-16)、B(17-40)、A(41-56)、コーダ(57-最後)となっています。

(※作品168の第3番・第4番の各第3楽章の形式分析は、全音楽譜出版社に質問をして、答えてもらいました。)

演奏のポイント

「Rondo(ロンド)」とある通り、軽やかに演奏しましょう。あまり真面目すぎて、肩の凝りそうな演奏にならないように心がけてください。
主題がコロコロと変わるので、バラバラにならないよう楽曲全体のまとまり感を大事にしましょう。

練習で特に意識したい箇所

  • 9小節目の左手は和音の連打です。手首を柔らかくして、力を入れずに、自然なフォームで弾きましょう。

Op.168 No.4 (第4番) 第1楽章:Allegro moderato[動画06:24-]

楽曲構成のポイント

この楽章は70小節からなります。前半1-25小節(提示部)後半26-67小節(展開部25-44小節・再現部45-67)、コーダ(68-7-)に分かれます。ソナタ形式的な構造をしています。
(※使用楽譜の曲目解説にはソナタ形式としか記載がありませんでしたが、コーダがあると感じたため、分析はコーダ付きで行いました。)

演奏のポイント

落ち着いて綺麗なメロディーが特徴的で、全体的にも落ち着いた曲です。
しかし、随所に現れるアウフタクト(曲の強拍を導くもの)がこの曲に少し音楽の動きを与えています。そのため、落ち着いた雰囲気で弾くのも大事ですが、音楽の生き生きした感じを忘れないようにしましょう。

練習で特に意識したい箇所

  • 14-15小節目、58-59小節目など、ポリフォニー(複数の声部がそれぞれの独自性を保持する)になっている箇所があります。声部の進む方向を間違わないように注意しましょう。

Op.168 No.4 (第4番) 第2楽章:Andantino[動画09:48-]

楽曲構成のポイント

3部形式です。

演奏のポイント

Andantinoですので、Lentoにならないように注意しましょう。
メランコリックで美しい曲ですが、美しさを出そうとしすぎて、音楽の流れがなくならないように気をつけてください。
右手が主導権を握り、音楽を引っ張って行くと、流れをつかみやすいです。右手で「歌手のように自由に歌える」良いですね。

練習で特に意識したい箇所

  • ペダリングについて:同じ和音だからといって、踏みっぱなしにしないこと。「楽曲の厚みや旋律を効果的にサポートできるペダリング」を目指しましょう。
  • 例えば、1小節目などは同じ和音ですが、右の旋律のアーティキュレーションを効果的にするために、冒頭の2拍は1拍ずつ踏むなど工夫します。

Op.168 No.4 (第4番) 第3楽章:Rondo Allegro[動画11:55-]

楽曲構成のポイント

ロンド的な3部形式です。
構成は、A(1-36)、B(37-49)、A(50-66)、Coda(67-104)となっています。

(※作品168の第3番・第4番の各第3楽章の形式分析は、全音楽譜出版社に質問をして、答えてもらいました。)

演奏のポイント

Allegroでロンドですので、ある程度の速さで弾かないと曲想が出ませんが、あまり速く弾きすぎると、曲の良さが出ないので注意が必要です。
左手の付点四分音符をきちんと感じること。感じることが出来ると、軽い曲だけど、説得力のある演奏になります。

練習で特に意識したい箇所

  • Codaは終結部らしく盛り上がります。弾いていると速くなる傾向がありますが、ここからテンポを上げると、聴衆も演奏者も何を弾いているのか分からなくなってしまいます。曲の良さを出すには、良く旋律を聴いてあげることです。
  • 83-84小節目はヘミオラ(2分割されるものを3分割すること。その逆もある。)になっています。リズムの変化を意識しましょう。
参考文献

ディアベッリ『ソナチネアルバム』千蔵八郎編 東京:全音楽譜出版社、1979年。

使用楽譜
ディアベッリ『ソナチネアルバム』千蔵八郎編 東京:全音楽譜出版社、1979年。

この記事を読んでくださった方へ     

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この記事は、ある程度ピアノを弾ける生徒さん向けの内容でした。

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藤田ピアノ音楽教室
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