
こんにちは!船橋市・馬込沢の藤田ピアノ音楽教室、代表の藤田晃太朗です。
今回は、ルイス・ケーラー (Louis Köhler, 1820-1886) が作曲した《子供のためのアルバム》作品210より、以下の5曲について、演奏法と表現のポイントを解説します。
- 《ワルツ》 (Walzer)
- 《チロルの歌》 (Tirolerlied)
- 《旅人の歌》 (Wanderlied)
- 《山の歌》 (Melodie aus den Gebirge)
- 《小川の水車》 (Die Mühle am Bach)
各曲が持つ特徴や雰囲気、特にリズム感を引き出すお手伝いが出来れば幸いです。
まずは演奏動画でイメージを掴みましょう!
解説を読む前に、まずは演奏動画をご覧ください。
曲全体の雰囲気や響きを感じていただくことで、この後のポイント解説がより深く理解できるようになります。
各曲の演奏ポイント解説
No.26 ワルツ (Walzer)
この曲の最も大きな特徴は、優雅な3拍子の舞曲(ワルツ)であることです。
- 伴奏の安定感: 左手のワルツ伴奏が揺れ動きすぎると、右手のメロディーが乗りにくくなります。心地よい揺れは必要ですが、過度にならないよう注意しましょう。
- 左手のアーティキュレーション: 左手の伴奏が、このワルツ独特の雰囲気を作ります。楽譜のアーティキュレーションに注目し、1拍目をしっかりと感じた後、2・3拍目へと性急に進むのではなく、各拍にほんの少しの重みや「間(ま)」を感じさせる落ち着いたワルツのリズムを大切に。楽譜と耳でそのニュアンスを捉えましょう。
- アウフタクトの処理: 5段目冒頭のアウフタクトは、4段目の最終小節から自然に繋がるように。過度なブレス(間)を入れず、スムーズに入りましょう。
No.27 チロルの歌 (Tirolerlied)
この曲も伴奏が非常に重要です。しっかりとした伴奏に乗って、右手の美しいメロディーが歌います。
- 伴奏の役割: 伴奏が弱いと、曲の持つ小さな「建築感」が失われてしまいます。土台を意識して演奏しましょう。
- メロディーの表現: 右手のメロディーは特徴的です。実際のチロル地方の歌かは不明ですが、作曲者がチロル地方の情景をイメージしたことは確かでしょう。その明るく伸びやかな雰囲気を大切に表現しましょう。
- ペダルの活用: 3段目の2小節目からは、ペダルを効果的に使用し、響きを豊かにしましょう。曲に立体感が増し、表現が深まります。
- 楽曲形式の理解: この曲はABAの3部形式です。形式を理解することで、譜読みが楽になるだけでなく、演奏にも説得力が増します。
No.28 旅人の歌 (Wanderlied)
2拍子のリズムが特徴的な、少し動きのある楽曲です。
- 「旅人」の背景: 当時の「旅人」は、現代の「旅行」とは異なり、修行や生計を立てるための移動を指します。
- 「哀感」の表現: この曲には、そうした旅人たちの「哀感」(悲しみと喜びが入り混じった感情)が込められています。その情景を想像し、感情を込めて演奏することで、聴く人の心に響く演奏になるでしょう。
No.29 山の歌 (Melodie aus den Gebirge)
ゆったりとした3拍子の曲ですが、アーティキュレーションによって生まれる表情の豊かさがポイントです。
- 速度記号: Andantino (アンダンテよりやや速く) なので、落ち着いたテンポ感を保ちましょう。
- アーティキュレーションの重要性: 楽譜に記された多彩なアーティキュレーション(スタッカート、スラー、アクセント等)を丁寧に弾き分けましょう。これにより、単なる強弱の対比に留まらない表現が生まれます。自然なニュアンスで表現することがポイントです。
- リズムの弾き分け: 中間部から登場する3連符と、8分音符、16分音符とのリズムの違いを明確に弾き分けられると、演奏内容が格段に充実します。
No.30 小川の水車 (Die Mühle am Bach)
Allegroで、これまでの曲よりもテンポアップして生き生きと演奏しましょう。
- 曲想のイメージ: 「小川の水車」という題名から、軽やかに回る水車をイメージしましょう。大きなダムのような力強いイメージではなく、あくまで「小川」の情景を大切に。
- Allegroでのp (弱く): 全体的にp (弱く) 指示が多いですが、Allegroの速さでpを維持するのはテクニックが必要です。自分なりの感覚を掴めるまで、じっくり練習しましょう。
- 技術的難所: 4段目3小節目の3度が出てくる箇所は、この曲集の中でも特に技術的に難しい部分です。重点的に練習し、スムーズな演奏を目指しましょう。
使用楽譜 ケーラー 1974 『ケーラー こどものためのアルバム』 千藏八郎解説 東京:全音楽譜出版社
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